東京大学・駒場リサーチキャンパス公開視察報告
2014-06-14 | キャンパスレポート

駒場リサーチキャンパス公開視察報告

平成26年6月7日
進路指導部 浜田肇・秋山哲二

■初めて見るものばかりの見学

東京大学の大学院である生産技術研究所・先端技術研究所の合同研究室公開イベント「駒場リサーチキャンパス公開」が6月6日(金)・7日(土)におこなわれました。本校高2生4名、高1生8名が7日の授業後に参加してきました。当日は朝から大雨警報・注意報が都内にも発令され、本校での授業も1・2校時が休校になり、開催・参加が危ぶまれる中、生徒たちも大変な思いをして、駒場リサーチキャンパスにたどり着きました。

最初に見学したのは、奈良県飛鳥村で導入されているという、「歴史的建造物・人物再現バス」です。特製ヘルメット(ヘッドシステム)をかぶってバスに乗ると、バスについている全方位カメラと、ヘルメットが連動し、周囲の景色がリアルタイムで見えるようになっています。のみならず、本当は現存しない建造物や、人物の動きの再現CG映像が、現在の風景に重ねて見えるようにできています。ヘルメットに内蔵されている方位システムと連動して、顔を向けた方向の景色+CGが見られるのです。運良く体験できた生徒は、最新の研究の洗礼を受け、驚きを隠せない様子でした。

次に見学したのは、深さ8mのプールと、海底探査ロボット「トリトン2号」の実演です。「海底のグーグルマップを作るプロジェクト」の一環とのことで、昨今話題のレアメタル、メタンハイドレートなどの探索を目的としているとのことです。水中にある間は、外部からの通信が遮断されますが、搭載したプログラムにしたがって、海底の写真を順々に撮って移動します。のみならず、撮った写真を自信で合成し、データに不十分な箇所が見つかった場合、改めて不足分を補うために追加写真を撮りに移動します。実演では高さ50cmのポリタンクも見事に、写真に収め、水底の地形を探査する精度の高さを示しました。

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(左:「歴史的建造物・人物再現バス」と体験した生徒たち 右:8mのプールに浮上してきたトリトン2号)

また、「無響室」という、発生した音が、まったく反射せず完全に吸収される部屋は、前後左右上下6方向からのスピーカにより、コンサートホール、駅や空港、トンネル内部などの音響環境の改善の研究に用いられているとのことでした。大学生によるクラリネット演奏も、再現するホールによってまったく響き方が違うことを、感心した表情で聞き分けていました。

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(左:不気味なほど反響しない無響室にて 右:自らの進路に思いを巡らせ凛々しい顔つきに)

途中、1時間程度の自由見学では各自の興味に従って、キャンパス内を見学して回りました。鉄道のホームドアが移動するシステムを見学したり、風洞実験設備で秒速20mを体感したりと、それぞれに日本トップレベルの研究を体感していました。

■先輩との懇談

後半では、本校卒業生で現役東大に合格・入学を果たしたばかりの太田君や、名古屋大学を卒業した社会人などが駆けつけて、生徒たちの見学に同行してくださいました。最後の懇談での激励コメントを紹介します。

*先輩のコメント

「説明にはわからないことも多かったかもしれないが、こうやって大学の施設を見学できるだけでラッキーなこと。いずれ決めることになる自分の進路に対しても真剣に向き合ってみて欲しい。」
「社会人になったら『文系だからわからない』というのは通用せず、『勉強しなさい』ということになる。」
「受験を終えてみて、自分にとって受験とは自信をつけるためのものでもあったと思う。受験ぐらいでつまずいている場合ではない。多少大変でも、努力してみることで可能性が開けてくる。是非頑張りきって欲しい。」
「学校の企画がなくても自分たちでどんどん出かけてみて欲しい。」

*生徒たちの感想

「わからない説明も多かったが、それでも面白そうと思えることが多かった。これから知識を増やして、わかるようになりたい。」
「文系といえども、広い視野をもって多くの勉強に積極的に取り組んでいきたい。私立大学を志望していたが、国立大学も考えてみたいと思い始めた。」
「少しの工夫を加えると便利になるものがあることを体感できた。こういう理系的な面白さを発見するべく、少し違った見方で身の回りを眺めてみたい。」「理系・文系関係なく楽しめた。学問の裾野の広さに驚いた。」
「高1から受験勉強を始めて、やっぱり東大に行きたいと思った。」

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