男女両校合同学習合宿 〜「可能性」を「必然」へ、新たな「価値」を新たな「伝統」へ〜
2014-03-27 | 進路系行事

佼成学園(以下、男子校)では、昨年より系列校である佼成学園女子中学校・高等学校(以下、女子校)と合同で、難関国公立大学を志望する生徒に対して合同夏季セミナーや、女子校で開かれる講習への男子校生徒の定期的な参加などの取り組みを行ってきました。そして今回は、史上初の男女両校による合同学習合宿を、立正佼成会が所有する横浜普門館にて行いました。

この合宿には、男女両校の難関国公立大学を目指す新高校2年生・新高校3年生あわせて30名以上の生徒が参加しました。加えて、この合宿を支える講師・引率教員・フェロー・チューターといったスタッフも男女両校それぞれから集結しています。今春、東京大学文科三類に現役合格を果たした太田君も、後輩たちのために駆けつけてくれました。

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 新高校3年生の現代文講習の様子  お世話になった先生に挨拶する太田くん

合宿では、女子校に設置された講習室の講師や男子校の教諭などによる講義をはじめとして、様々なプログラムが行われました。その中の一部をご紹介いたします。

まず、1日目の夜に開かれたのは英語の学力テスト。今の時点で自分には受験に必要な学力がどれだけあるのかを、テストします。このプログラムは卒業生のチューターがナビゲート。新高校3年生は、生徒と合格から日の浅い女子校チューターとが肩を並べテストを解き、講師の解説の上、チームで点数を競い合います。そして新高校2年生では、解いてもらったテストの解説を男子校チューターの重田くんと太田くんが、時には毒舌(?)にも聞こえる、元受験生ならではのアドバイスを交えながら行っていきます。

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 元受験生 VS 新受験生、果たして勝つのは!?  受験にもピリリと効く絶妙な掛け合いです

そして2日目には目玉企画である、駿台予備学校の方による大学受験に関するレクチャーと、今春東京大学に合格を果たした太田くんの受験生活を振り返るトークが行われました。

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  様々な例示やエピソードを取り入れつつレクチャーが進みます   レクチャーが進むごとに生徒の表情も変わってきました

まず最初の駿台予備学校の方のレクチャーでは、実際にあった受験生のエピソードや大学入試に出題された問題などを取り上げながら、大学受験の仕組みや、それにあたって必要なことなどが話されました。レクチャーによって、自分たちが立ち向かおうとしている「大学入試」というものの姿が見えてきたようで、生徒たちの表情は時間が経つごとに真剣な面持ちへと変わっていきました。

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  大学受験当時の話はもちろん、これからの展望についても語ります  実際の受験生による話に、生徒も興味津々です

夕食と休憩をはさみ、今度は実際に東京大学という「難関国公立大学」の受験を経験した太田くんのトークタイム。今回集まった「難関国公立大学」を目指す生徒たちにとって、彼は身近なお手本となるような存在。夕食前のレクチャーでの意識付けも手伝ってか、生徒たちも興味津々。一言でも聞き漏らすまい、という態度が見え、中にはメモをとる生徒も観られました。
トークの内容に関しては後日当サイトにダイジェスト動画をアップロード致しますので、詳しくはそちらに任せるとしますが、彼の中学受験生時代からは想像できないほどの飛躍的な成長の姿を、学習面や生活面など、様々な観点から語ってくれました。トーク終了後の生徒たちの顔は覚悟と自信にあふれており、その姿にトークをした太田くん自身も嬉しさと生徒たちを応援したいという想いを感じているようでした。

男子校学習合宿恒例の「受験への道しるべ」づくりも行われました。目標となる大学と、それに必要な科目、試験の配点といった、大学受験に関する情報はもちろん、自分の現在の学習状況も書き込みます。どの教科のどの分野が得意で、どの分野が苦手なのか。その分野を得意に変えていくために、どのような勉強をしていくのか。男女両校の大学受験を経験したチューター、そして教科のプロである先生方のアドバイスを交えながら検討していきます。

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 いつも沢山のスタッフに支えられる「道しるべ」づくりです  検討してはみるものの、なかなか難しい

この「道しるべ」づくりは2日間にわたって行われましたが、1日目はなかなか何をすれば良いかが自分では分からず、時間が進んでも空欄のままな生徒が目立ちました。しかし前述のレクチャーの後に行われた2日目では、生徒たちから積極的にチューターや先生への質問、生徒同士の情報交換が活発に行われ、またたく間に「道しるべ」の空欄は埋まっていきました。2日目のプログラム終了後も、引き続き先生やチューターを囲んで話を聞く姿や、生徒同士でおすすめの問題集を交換しあう風景も観られました。

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 2日目、各所で積極的なやりとりが生まれてきました  入試に必要な科目や配点を元に、今後特に力を入れる分野を決めます
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 スタッフの誕生日を祝う一幕も おめでとうございます!  プログラム終了後もチューターを囲んでの質問攻めです

最終日は理科・社会の講習が行われたあと、閉校式となり、2泊3日の合宿は終了となりました。男子校と女子校が合同学習合宿をする、この初めての試みは、心配されたようなトラブルもなく無事成功に終わりました。

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 生物の講習の様子です  無事閉校式を迎えました

今回の合宿では、異なる文化との出会いによって、新しい価値が生まれていくことを強く体感できたように思います。男子校と女子校、同じ佼成学園の名のもとにありながら、その校風や伝統などは異なり、お互いのそれらが交差することはなく時間を経てきました。しかし、それぞれの学校に携わってきたものたちが、ひとつの空間を共にすることによって、卒業生であるチューターと現役の生徒が織りなす伝統や、それぞれの学校の生徒と先生方が培ってきた校風がまっすぐにぶつかり合い、新しい文化や価値を生み出したように思います。

そしてその文化や価値は、生徒たちの1年後、2年後の大学合格の実績などといった形で花を咲かせ、そして新たな伝統を作っていくと信じています。今後も通常期の合同講習や、夏季のセミナー等などを通じ、女子校との連携を行っていきたいと、考えております。

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