本日は総合的な学習の時間を各学年で実施しています。
中学3年生は現役大学生であり、佼成学園の卒業生でもあるチューターから話を聴き、自分の大学受験や将来について考える機会をもちました。大学生にとっては朝早い時間かもしれませんが、重田チューター・小西チューターの2名が後輩のために来校し、話をしてくれました。
重田チューターは佼成学園に中学で入学した頃、成績は学年160人中の136位。学年の中では最下位に近い成績だったそうです。しかし、今ある勉強を着実にやっていこうと決意し、実行した結果、佼成学園を卒業する頃には学年で6位に。無事上智大学へ進学し、語学を勉強したいという夢を叶えました。「今の段階でどんな順位でも関係ない、と今言えると思います」と彼は話します。
そんな彼は来年から教育に関する会社で働きますが、大学に入っても中学時代の勉強が役に立っているようです。「チャンスを広げるために勉強は大事。今やっていることは次の可能性に繋がる、メリハリを持って一生懸命やって欲しい」とエールを送りました。
次は小西チューター。彼は中学時代は決して良い生徒ではなかったと言います。しかし、勉強はちゃんとやっていたようで、高い成績を維持。
無事に早稲田大学に入学し、今となっては勉強をやっていて良かった、と話します。
彼は3年生で大学卒業後の進路を考える時期になりました。そんな彼は、進路をどのように考えて行けば良いか、と言う質問に「挑戦することでどんなこともプラスに働く。現状維持することは後退だ。」と話し、エールを送りました。
短い時間の講演でしたが、ひとつでも参考になったことはあったでしょうか。
佼成学園は毎日大学生の先輩であるチューターが誰かしら勤務しています。
普段でも、大学に関する話を聴きたいときは是非気軽にチューターへ声を掛けて下さい。
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11月は近年恒例となった高校2年生の「夜講習」。
「夜講習」とは部活生などでなかなか講習に参加できない生徒や、夜遅くまで学校に残って勉強している生徒のために設置された、18時過ぎから行われるイベント的な講習です。例年秋に実施しているのですが、すでに外は真っ暗になっているため生徒も先生も一種独特の非日常感に包まれます。
この日は高橋先生による最後の英語の講座が実施されました。遅い時間にもかかわらず、多くの生徒が最後まで頑張っている姿を見ると、受験生もうかうかしていられません。佼成学園の補習の伝統は着々と確かなものになってきました。
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新高校2年生の学習合宿が3/10~12まで2泊3日で実施されました。場所は立正佼成会青梅錬成道場。これまで多くの学年が、青梅の道場で合宿を行い、学力の増進やモチベーションの向上、仲間との連帯を深める機会となってきました。今年の新高2の参加者は、なんと史上最多となる100名超。春の陽気と冬の名残が入り交じる不思議な気候の中、熱気を帯びた合宿が展開されました。 様々な活動の中で、今回の目玉は二日目夜の座談会。生徒たちは自分現在の状況や今後の学習について、3名のチューターと2名の卒業生、そして多くの教員が机を回る中、班ごとにワークシートを作成しました。広い講堂には多くの生徒が自分の目標を確かめ合ったり、今後の生活に思いを馳せたりしながら、チューターの先輩達にナビゲートしてもらっていました。
入浴後も廊下に開架してある赤本や問題集の周りに人が集まり、ちょっとした受験談義が始まりました。まだまだ、夢は遠くにあるかもしれませんが、この合宿そのものが貴重な第一歩であることは間違いありません。新高2の今後も楽しみです!
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本日、いよいよ今週末に迫ったセンター試験に向けて、高校3年生対象のセンター試験壮行会が実施されました。今年で四年目を迎えたこのイベントは、センター試験のみならず大学入試に臨むための言わば「出陣式」でもあります。先生方が最後のアドバイスと激励の言葉を述べ、生徒の決意表明を行います。
榎並校長
「私の好きな言葉は「人事を尽くして天命を待つ」です。皆さんも今日までのことは、「しっかりやれた」と思って、自信を持ち、実際の試験において「人事を尽くし」てください。皆さんの健闘を祈ります」
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12月11日~13日まで高校2年生の学習合宿が行われました。佼成学園の学習合宿。学校の施設を使い、卒業生と教員がサポートするという、ここ数年で作り上げてきた「手作り」の合宿の様子をお伝えします。史上最多となる115名の生徒と、チューターを含む卒業生18名が参加するという大盛況の合宿は、「2014年春」の栄冠を大いに予感させるものでした。
第1日目
開会式では学年主任・阿部先生の挨拶では「学ぶこと」の本当の意義が語られ、続く西田先生からは合宿の意義について「学習合宿で得たきっかけをその後の学びに生かす」という本質的なところに話が及びました。生徒による開会宣言は木村君、高らかに決意表明をしただけでなく、全員で肩を組んで学園歌を歌うことを呼びかけました。受験は「団体戦」という意識が早くも芽生えているようです。
この日は問題演習と解説、自学自習というメニューで、会場となった第二多目的ホールには緊張と熱気に包まれる中、おのおのが自分の問題意識をもって学習に取り組んでいました。
夜の企画は「大学受験への道しるべ」というワークショップ。高校2年の現在から来年度の受験に至るまでの道のりを、学校行事や自分の生活の予定に当てはめながら、学習計画を立てていきます。この時アドバイザーとなるのが卒業生のチューターです。今回の合宿は参加者も多かったため、チューターだけでなく多くの卒業生に来てもらいました。卒業生達は自分の受験生時代の経験を元に、生徒達の学習計画に耳を傾け、それぞれに適切なアドバイスをしていきます。会場には学習参考書コーナーも設けてあり、必要に応じて実際に問題集や参考書を手にとって、学習の方法を指南します。その姿はまるでマラソンの伴走者のようです。あっという間に90分が過ぎ、生徒達は自分が何をやるべきか、そのゴールまでの道のりに確かな手応えを感じていたようです。
宿泊は学校の隣にある団参会館という施設。チューターが見守る中、夜間学習にも多くの生徒が訪れました。
第2日目
朝6時半から早朝特訓です。文系は古典、理系は数学に分かれて行いましたが、有志参加にかかわらず多くの生徒が朝日を頬に浴びながら一生懸命学習に取り組んでいました。
この日も問題演習と解説、そして自学自習が続き、そして「英熟語道場」という企画(ちなみに採点も卒業生が手伝ってくれました。感謝!)。まだ勉強に慣れていない生徒は目をこすりながら必死で自分の課題に取り組みます。途中で力尽きる場合もありましたが、そんな経験こそが今は重要です。来年の今頃は恐らく1日12時間くらい勉強していることでしょう。
この日の夜もチューターや卒業生が大活躍。「英語の学習法」「モチベーションアップ」「大学生活」「学習法全般」などの各テーマに応じて教室を分け、それぞれ数名の卒業生が講演を行ってくれました。熱心にメモを取りながら、生徒達は卒業生に自分の未来を重ね合わせていたようにも見えました。
友人と語らい、束の間の休息を取るとともに、前日の「大学受験への道しるべ」のワークシートを全員で共有する場を持ちました。卒業生達に相談をしながら、それぞれの目標大学が書かれた学習計画をシェアすることで、「これから何をなすべきか」が確かなものになっていくようでした。宿泊施設に戻ってからは恒例の懇親会。
宿に戻ってからは、川上チューターを中心に中央広場で深夜の語らいが行われているところに、一人、二人と人が集まり、尽きせぬ話をしていたようです。
最終日
この日も問題演習と自学自習が行われ、閉会式では英熟語道場の表彰式。合宿での「具体的な成果」が目に見える形で共有できたことの意義は小さくありません。受験は競争。でもそれはみんなで健闘を讃え合う健全な競争です。そして今回英熟語道場の優勝者(4名)の一人は奇しくも開会宣言を行った木村君でした。
今回の合宿は想定外の大人数でしたが、結果的には大成功。もしかしたらこれが「伝説の合宿」になるかもしれません。そうなるかどうかは、やはり今後高校2年生がどれだけ本気で学習に取り組めるかにかかっていると思います。大いに期待しています!お疲れ様でした。そして卒業生の皆さんも本当にありがとうございました!
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NPO法人NEWVERYが主催する、平日の大学の授業を高校生が受講して進路を考えるきっかけにする「Weekday Campus Visit 」という企画が今年の10月から始まりました。コーディネーターは進路プロデューサーの倉部史記氏。今回は、11月23日に立教大学経営学部の授業を受講できるということで、佼成学園からも高2生3名が参加させていただきました。オープンキャンパスではなく、大学の言わば「素」の姿を見る機会というのは実に刺激的で、参加した生徒は一様に大満足だっということを語ってくれました。
Q 今回の企画に参加しようと思ったきっかけは?
山本君:オープンキャンパスとは違った雰囲気を味わってみたいと思いました。
岡本君:僕は経営学部という学部の内容に興味があったからです。
橘君: 僕の場合は今回の立教大学そのものに興味がありました。
Q 実際に参加してみていかがでしたか?
山本君:めちゃめちゃ楽しかったです。大学の授業は、先生が教壇に立って話すだけというイメージだったんですが、実際はそうではなく驚きました。オールイングリッシュの授業もあったので、自分の英語力の無さにも気づきました。あと、女子が多くて元気がよかった。(笑)。
岡本君:ディスカッションの重要性を感じました。ゼミのディスカッションではいろんな意見が出ましたが、そういう場で自分の意見が言えたり、議論をまとめたりする力が必要だと思いました。
橘君:英語の授業のレベルがとても高くて驚いた。ネイティブと普通に議論しているし、TOEIC900点以上が30名以上もいるというところにもびっくりしました。それから、自分の思っていることを表現できないのはダメですね。
Q 今後の学校生活への心構えに変化はありましたか?
山本君:自分はまだまだだと危機感を感じる一方で、学部の授業が自分が思っていたのとは違う魅力的なものだったので、そうした大学の風景のようなものに希望を感じました。
岡本君:ゼミの授業を通してコミュニケーション能力の大切さを感じました。自分でもこれから意識していきたいと思います。
橘君 :本当にモチベーションが上がりました。今回の立教大学も素晴らしく楽しかったんですけど、他の大学も是非見てみたいですね。また機会を作ってください!
現在、大学選びや学部・学科選びというのは非常に難しい時代になったと思います。だからこそ、そもそも大学とはどういう場所なのか、自分が何を学びたいのかということを自分の目で見て考えることが必要なのだと思います。本校の進路指導は「充実した高校生活の延長に大学受験がある」というのがモットーですが、その高校時代を更に充実させるためにもWeekday Campus Visit という企画は実に有効な手段だと感じました。コーディネーターの倉部さん、立教大学の先生や学生の方々、本当にありがとうございました。
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高校3年生の受験勉強が佳境に入る中、高校2年生も負けてはいません。通常講習とは別に「夜補習」が行われました。
現大学3年生の学年が高校2年時だったころ、受験を意識し始める秋に入って運動部の生徒から「一般受験で大学に行きたいのですが、部活が終わってからでは講習に参加できません。何とか部活が終わってから受講できる講習をしてもらえませんか?」という要望を受けたことがきっかけで「夜補習」は始まりました。その学年では30名~40名の受講者が集まって大いに活況を呈したのですが、その時の運動部のメンバーは軒並み一般受験で上位大学に合格していきました。
本日実施された英語の講習も30名近くが集まり、大いに盛り上がりました。冷たい雨がちらつく真っ暗な窓には集中して授業を聞いている「次期受験生」の姿がありました。来週は国語、再来週は数学の講習が行われます。
「授業」「講習」「夜補習」というサイクルは、来年の受験生活の模擬体験にもなるでしょう。今回参加できなかった生徒も是非「夜補習」の醍醐味を味わいに来てください!
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9月8日(土)、ハイアットリージェンシー東京において佼成学園高等学校第52期生の「成人を祝う会」が催されました。このイベントは、先生方と卒業生が再会して初めてお酒を酌み交わしながら懇談するという機会を作ろうと、8年前から同窓会の方々が本校OBの先生方と協力しながら作り上げてきたものです。小さな学校ながらアットホームな雰囲気に包まれている佼成学園らしい企画と言えるかも知れません。
今回の「成人を祝う会」は卒業生97名、旧担任副担任のほぼ全員を含む120名以上が出席するという盛大な会になりました。従来の案内はがきや電話連絡に加えて、今回はTwitterやFacebookによる連絡も駆使して、クラスのそれぞれの幹事たちが一生懸命に声をかけてくれたこともこれだけの人数が集まった要因です。また、部活や生徒会などを通じてマメに学校に顔を出してくれている卒業生が多かったということも忘れてはなりません。
体育会に所属している学生や留学中の学生など、どうしても都合がつかなった場合もありましたが、今後もこうした機会があれば是非参加したいという声が届きました。タイやカナダに留学している生徒とスカイプで繋がりながらの参加、ということも試みましたが、会場はWI-MAXが入らず残念ながら実現しませんでした。次の同窓会は世界中からの参加が可能になっているかも知れません。
およそ2時間というわずかな時間ではありましたが、それぞれに卒業以来の自分の足取りを再確認しながら旧交を温め、懐かしい先生方にも成長した姿を見せてくれました。話は尽きることがありません。大学に入って学問の面白さに目覚めたことを話してくれたり、高校時代とは全く違った部活で活躍している様子を聞かせてくれたり、在校中は女子と話したこともなかったような生徒が楽しそうに恋人と写っている写真を見せてくれたり…。
今回は同窓会の計らいで、就職活動の役に立ちたいと多忙な中を駆けつけてくださったOBの方の講話もありました。歓談の真っ只中のご挨拶になってしまったのは残念でしたが、それでも自分たちの就活をOBの方々が支えてくれるという気持ちは大いに伝わったことと思います。いずれ、この会が成熟していく中で、今回のように企業において活躍をされている方々の席上に卒業生が挨拶に出向き、就職活動のための名刺交換などができるようになる日が来る、そんな期待も感じられました。OBの皆さんにはこの場を借りて御礼申し上げます。
第52期生は、学校長も「印象に残る学年」というだけあって、実にバイタリティに溢れ、結束力のある学年でしたが卒業後もそれは健在で、多くのグループが二次会、三次会へと流れていきました。卒業生と朝までボウリングをした先生もいたということでした。翌日のFacebookには「こんな日が来るとは思ってもみませんでした」というコメントが残されていましたが、時は気づかぬうちに流れるもので、現在の在校生たちにも必ずこうした時間がやってくることでしょう。
「成人を祝う会」が学校という「ふるさと」への初めての凱旋になるという伝統が築かれつつあるようです。この会を企画してくださった同窓会の方々に感謝申し上げますとともに、第52期生たちの更なる活躍を祈っています。
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7月10日に行われたシンポジウム「高校の学びは就活にどう生きるか」についてのまとめです。
企画の背景
まずこの企画を実施しようと考えたのは、3年前の卒業生の「成人を祝う会」という同窓会が中心となって行う行事のプレ・イベントを行いたいと思ったからです。「成人を祝う会」は、卒業生全員が成人を迎えて初めて母校の先生方とお酒を酌み交わし、同じ学舎にいた学生同士が旧交を温めるという企画で、もう何年も続いている恒例行事です。そしてこの機会を利用して、少し大げさな言い方をすれば進路指導部が「卒後教育」の一環として就職活動にまつわる情報交換の場を提供できないだろうかと考えたのです。それならば卒業生の保護者にも声をかけて、息子の就活について一緒に考えてもらおうということで後援会にも協力を仰ぎ、メールなどで声をかけていただき、企画の実現にこぎつけました。
高2総合学習とのカップリング
折しも、高校2年生の総合学習では「大学説明会」と銘打って、早稲田大学や明治大学など本校でも志願者の多い大学を多数お招きして、合同説明会を実施することになっていたのです。そこには大学のブースだけではなく「マネー相談」など保護者向けの企画も用意しており、来場してくださった高2の保護者の方に大学生の就活事情と高校の学びの接点についてのパネルディスカッションを聞いてもらいたいと考えたのです。そしてこの「大学説明会」と「パネルディスカッション」を合わせて「シンポジウム」という形にすることにしました。
ゲストの石渡嶺司さんについて
パネルディスカッションのゲストとしてお呼びした石渡嶺司さんとは、著作の感想をめぐってTwitterでやりとりしたことからお付き合いをさせていただいているのですが、今回の企画をお願いしたところ快諾してくださり、事前の打ち合わせにも来校いただき、話の展開をシミュレーションしました。大学ジャーナリストとしてだけでなく就職活動の専門家としてもメディアを賑わしている石渡さんは学生に対して非常に愛情深い方で、本校のパネリストに対しても時に厳しく時に優しく適切なアドバイスを送ってくれました。
卒業生のパネリスト
チューターとしても3年目を迎えた上智大学理工学部の秋山君、立教大学経済学部の羽田君は、共に現在就職活動を始めたばかりの大学3年生です。また、1年浪人して早稲田大学に入学した猪久保君は2年生から見た就職活動という視をパネルディスカッションに投じてほしいと考えました。
パネリストの教員について
本校英語科主任でパネリストを担当した小塩は、3年前の卒業生の国公立クラスを受け持ち、今回の3名のパネリストの担任でもありました。そして現在は高校2年の国公立クラスの担任をしており、まさに今回対象とした高2保護者と卒業生保護者の架け橋になる存在でした。また本校におけるここ数年の進路指導改革の立役者でもあり、そうした視点からも高校の学びと就活のあり方を横断的に見渡せる存在としてパネリストになってもらいました。
パネルディスカッション
〈就職活動の現在〉
このパートでは石渡さんに現在の就職活動事情について、基礎的なところから解説をしてもらいました。活動の開始時期、企業・業界研究の方法、大学の学部・学科による有利不利など、多岐にわたる視点から、現在の就職活動のあり方を俯瞰してもらいました。1980年代からの就職率の変化や大学進学率の推移などを追いながらの解説は、やはり私ども教員や保護者方々の経験してきた時代の就職活動の事情とは大きく異なり、非常に参考になりました。
〈就活を目前に控えた大学生の状況〉
就活目前というよりはすでにスタートしているという感じでしたが、理系の秋山君と文系の羽田君がそれぞれ自分の状況を語ってくれました。羽田君はインターンシップを就職活動の中の選択肢の一つとして捉え、企業への多くの入り口を模索しているとのこと、ただし厳しい現実を先輩からも聞いており、甘い認識は持っていないと語りました。秋山君は、企業の規模やブランドよりも自分の力が発揮される場所を探したいと考えており、大学院進学も視野に入れながら就職活動を始めたところということでした。
〈大学に入ってから就活まで〉
大学2年生の猪久保君にとっては元同級生の話はとても刺激的だったようです。また就職活動といってもまだ現実感がなく、それでも漠然と将来に向けて自分の可能性を探っているところだといいます。所属している「文化構想学部」という変わった学部が何をやるところなのかという説明の仕方や、タップダンスのサークル活動がどんな形で役立つのかなどを就職活動の現場でどういえばいいのか、など話題は面接を想定した具体的なところにも及びました。
〈高校時代にどのような力を身につけておくべきか〉
高校時代アメリカンフットボール部に所属していた羽田君は部活動に一生懸命取り組むことの重要さを述べていました。先輩後輩との関わりなど、多くのことが今でも役に立っているといいます。秋山君は、大学では野球のサークルに所属していますが、高校時代には合氣道で日本一にもなった経験を持ち、様々な分野に興味を持って取り組むことの尊さを語ってくれました。また、猪久保君は学生時代ずっと学級委員としてリーダーシップを発揮してきた経験を生かしていきたいと話してくれました。
担任だった小塩先生は彼らの話を聴きながら3名のパネリストの高校時代からの高い能力を認めつつも、その根底には、在校中に彼らが「遅刻をしない」「学級日誌を丁寧に書く」などという学校生活におけるごく当たり前のことを当たり前にできる力が備わっており、それが現在にも繋がっているのではないかと分析します。つまり3名のパネリストを見ても、日常の生活習慣を高いレベルで行えることが重要であり、それは校訓である「行学二道」の実践という形で確実に実っているのだということを話してくれました。
〈石渡さんのまとめ〉
就職活動に必要なのは何か特別な力ということではなく、「周囲の大人と話ができるか」「普通に文章が書けるか(エントリーシートのため)」「恋人と楽しい時を過ごせるか」などといった日常のふるまいそのものに表れると話してくれました。また、「インターンに落ちたからといって本採用でも落ちるとは限らない」、「ビジネス週刊誌などから少しずつ業界研究を始めればいい」、といった身近で着実な考え方を説いていたように思います。とりわけマスコミの情報に踊らされることなくしっかり足元を見据えて、一見無駄に思えるようなことも一生懸命取り組んでみれば、後から振り返ってみれば自分の力になっていたり非常に役立っていたりすることも多いはず、ということを力説していたように思います。
~シンポジウムを終えて~
会場となった音楽室には石渡さんが残ってくれたので、多くの保護者の方々が質問の列をなしていました。また、パネリストの大学生にも多くの在校生の保護者の方々が、「高校時代にどんなことをやっておけばいいですか」などという質問が数多く寄せられたようです。パネラーの羽田君によるパネルディスカッションの報告も併せてご覧下さい。
ご参加・ご協力ありがとうございました。
アンケート結果
シンポジウム「高校の学びは就活にどう生きるのか」アンケート
回答者数:27人
*全項目複数回答可
1 この企画を何で知りましたか
保護者会 22人 学校HP 1人 進路指導部HP 1人 知人から 5人 その他 2人
2 本日のシンポジウムはいかがでしたか。
大変満足 8人 満足 15人 普通 3人 やや不満 0人 不満 0人
・現実に沿った内容だった
・大変興味深い内容で楽しく聞かせていただきました。
・高校時代の大切な事、就職の現状などよく分かった。
・「具体的にどのような学びをすべきなのか」という話ももう少し聞きたかった。
・相談者の相談内容がわかりにくかった。
3 本日のシンポジウムの中で参考になった部分はどのテーマでしたか。
「就職活動の現在」 11人
「就活を目前に控えた大学生の状況」 12人
「大学に入ってから就活まで」10人
「高校時代にどのような力を身に付けておくべきか」 15人
以下は自由記述
・部活動の継続の大切さ。
・就職活動の手段は変遷していますが、企業が求める人材は変わっていないと思います。流行(推薦入試組は駄目など)に左右されないことが大切だとの思いを、本日強く持ちました。
・猪久保君の話はテーマに沿っていたし保護者受けも良かったように思います。
・現状の就活状況の厳しさを感じました。
・現役合格生だけでなく1浪生を混ぜていただいたことで話題が広刈りを持った気がして良かった。ただ国公立クラスだけでなく一般クラスの卒業生も参加されていたらさらに深みが増したのではと思います。
・ まずは大学受験を考える息子なので、学部による就活の違い等少し知ることができ、勉強になりました。
・ 本人とじっくり会話を持つことができていないので他の卒業生の様子を聞くことができて、大変良かった。
・ 大変参考になった
・ 就活の現在の状況を聞く機会があり、参考になりました
・ 大学生の生身の考えが聞けて良かった
・ サマーインターンシップなどの言葉からわかりませんでしたので、とても参考になりました。大学3年の長男にTELしたいと思います。不安な気持ちに光りをいただきました。ありがとうございました。
・ 大変ためになりました。ありがとうございました。先輩方の前向きな姿勢、立派な発言に感動しました。後に続いていけるよう、子供をサポートしていきたいとおもいます。不安な時代ですが、良い情報をいただいてありがたかったです。
・ 参考にさせていただける内容と思いました。ありがとうございました。
・ 卒業生のスピーチが大変参考になりました。
・ 卒業生の大学生活が詳しく聞かせていただき、楽しそうな反面、厳しい状況下で就活の不安など大変な時代だと思いました。
・ 現役の大学生の声を聞けて大変参考になりました。子供たちにもぜひ聞かせたい内容でした。
・ 大学生の生の声と状況と、大学ジャーナリストの現状が聞けて大変参考になりました
・ 全て満足いくものでした。参加させていただいて良かったです。ありがとうございました。
・ 現役合格生だけでなく、一浪生を混ぜて行った事で話題が広がりを持った気がしてよかった。ただAクラス(選抜)だけでなく一般クラスの卒業生も参加されたら、さらに深みがあったのでは・・と感じた。
・ 佼成学園で子どもが6年間学べて良かったと再度思いました。
・ 就活の現状を少しわかることができて良かったです。就活が終わった人の話もあればよかったと思います。
・ いろいろな立場の方のお話が聞けて良かったです。
・ 高校生活から大学、就活の話、色々参考になることを聞かせていただき良かったです。日々の生活をきちんとすることが大切だと改めてわかりました。ありがとうございました。
・ チューターの皆さんがしっかり自分の考えや意見が発表できている姿勢に感心しました。それぞれの立場では話してくれて参考になりました。石渡氏の話、まとめ方もとてもコンパクトで分かりやすく話して下さり、親としてどうあるべきか、どう関わるかを教えていただき勉強になりました。ありがとうございました。現役で進学されたチューターの皆さんは、とても自信に満ちていて、高校時代部活で培ったものが生きていると感じましたし、猪久保さんのように浪人という苦い体験がとても今後に生きている姿(考え方)を拝見して、素晴らしいと感動しました。又、石渡氏の話で全て無駄なことはなく、必要なことと感じました。
・ いろいろなタイプの先輩のお話を聞けて、自分の息子の生活に考え方の参考に出来た充実した時間でした。
・ 大学受験の関連するイベントを聞いてみたい。
・ 大学2年生・3年生の状況がよく分かりました。就活(社会人)の為にも高校時代の過ごし方の重要性が認識された。
・ 佼成学園で育った先輩達が立派に成長されていて頼もしく感じました。講師の先生の歯に衣着せぬ言葉の数にも良かったです。
・ 大学や学部を分けて、何回かに渡って実施した方が保護者のニーズに応えられるかも知れません。
羽田チューターからの報告
1.保護者からの質問や相談とそれに対する自分の回答(個人の特定を避けるため一般的な形に改めています)
「どのように部活と勉強を両立したのか?」
→生活リズムを変えた。部活で家に帰るのが遅くなったため、家に帰ったらすぐに夕食と入浴を済ませ、就寝した。朝は04:00に起きて勉強することを習慣にした。また、積極的に学校の講習には参加した。授業は必ず寝ないでしっかり受けた。その場で吸収していくという意気込みが必要である。
「子供のモチベーションが上がらない」
→自分は、「計画」によってモチベーションを高めた。具体的には、長期的な目標、中期的な目標、短期的な目標を設定する。例えばまず、「―大学に合格する」という目標を設定すると仮定する。これは長期的目標である。次に中期的な目標として、「―模試で偏差値―以上を取る」というノルマを設定する。すると、最後に短期的な目標として、この一ヶ月でこの参考書を仕上げなくてはならないなどと決まり、おのずと一週間、一日の予定が決まる。すると、予定を狂わすわけにはいかないという気持ちから、モチベーションは上がっていった。
2.パネルディスカッションを通してみての感想
大学ジャーナリストの石渡さんをお招きして、お話しした結果、自分の就職活動に対する価値観が変わった。まずインターンについては企業を知る一つの選択肢として使うべきだと言うこと、就職活動はあくまでキャリアの入り口であるという事が分かった。
3.高校の学びがどのように就職活動につながっていくのか
高校の学びは、大きく分けて2つあると思う。勉強面と生活面である。勉強面はもちろん就職活動をする際に学歴となって現れてくるという意味で部分的にだが重要になってくる。しかし、高校生活の中で、生活面こそとても重要な要素の一つではないかと思う。就職活動の中で、特に最後の面接で、「この人と働きたい」と思ってもらえるかが勝負だという。もちろん学歴も重要で、一定のものがないと勉強に対して真面目な姿勢で取り組んでこなかったと見なされる可能性がある。しかし、人間性はそれ以上に、一生涯を通してとても大切なもので、これは中学・高校の間に基本的に形成されていくと思う。自分の場合は、アメリカンフットボール部に所属していて、そこでチームメイトと築き上げてきた人間関係が自分の人格の形成に大きく寄与していると思う。部活動は、そのスポーツに対しての技術が身につくということは二の次で、人間的な成長こそが最も大切な要素の一つではないかと思う。社会に出てから求められるのは、「チームで動くこと」である。中高の部活動はその基本的な能力を身につける上でもとても学生にとって大切な経験ではないか。
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